開催場所:公益財団法人 致道博物館
開催期間:2020年4月24日~6月8日
文化人類学研究者の山口吉彦氏(鶴岡市出身)が、幼少時代から夢に見た南米アマゾン。種の宝庫の森に生きる人々が織りなす「自然と文化の調和」を題材に、同氏が収集した2万点の民族・自然資料を特選し紹介します。
※ソーニョス・ジ・アマゾニア / ポルトガル語で「アマゾンの夢」
アマゾンには428種のほ乳類、467種のは虫類、516種の両生類、また、100万種以上の昆虫が生息しています。日本では270種しかいない蝶類は1万種、世界の蝶の種類の半数以上がアマゾンに生息しています。
世界最大の流域面積を誇るアマゾン川は、多様性の宝庫アマゾンの命の源でもあります。大西洋の魚類種すべての数を上回る約3,000種の魚が生息し、危険なピラニアから、美しい熱帯魚まで多種多様な生き物が共存しています。
アマゾンの森には、16,000種類3,900億本の木々が密生しており、その中で多種多様な生物が互いの特徴を活かし、生態系のバランスを保って生きています。人間も、そこでは自然の一部です。アマゾンは美しい蝶や鳥が舞う楽園であると同時に、猛獣や毒のある動植物も多く、危険な場所もたくさんあります。森で暮らす先住民たちは、過酷な環境で生き抜くためにコミュニティを形成し、自然の恵みを享受して生きています。彼らは森でどのような道具を使って暮らしていたのでしょうか。
先住民の文化には、共通してアニミズムとよばれる考え方が存在します。川や木、石など自然界に宿る霊を信じ、儀式を執り行います。彼らにとって儀式は自然への畏敬の念であり、信仰の原点でもあり、最も重要な活動です。普段はあまり装飾品を身に着けていない先住民ですが、儀式の時には着飾ります。装身具は部族のアイデンティティでもあり、色合いや使われる羽毛の種類によって地位の高さや権力の強さを表します。
祭る・人形